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【蒸留所見学】 ニセコ蒸留所

ニセコ蒸留所 (HPかっこいい)

夏休み、家族で1週間ほど北海道旅行に行って、合間にひとりでバー巡りをしていた ( ひとりで行くと会話が柔軟に設計できて話しやすいのでおすすめ )。札幌のマスターにニセコ蒸留所をおすすめされたので行ってみた。

…写真で伝わるだろうか。ギャラリースペースとの隔たりがほとんどなく、開放的な構造をしている。HPも含めてデザインが素晴らしいと思う。中はテイスティング用のスペースもあったが、事前予約制だったためやむなく断念。

この蒸留所は2021年にウイスキーの蒸留&熟成が開始されたそうで、まだウイスキーは置いていなかった。というのもジャパニーズウイスキーの表示に関する基準で3年以上の熟成期間が必要と決まっている。3年は最低期間なので今年中には出なさそう、気長に待ちたい。

ここでぶち当たるのが「でははじめの数年間は利益なしでどう経営するのか?」という疑問。これについては、利益の確保手段は知っている範囲でいくつかある。

  • ニューメイクやニューボーンとして販売する (e.g. 利尻蒸留所, 州崎蒸溜所)
  • 熟成が必要ないお酒( 蒸留酒ならジンやウォッカ,醸造酒ならビールなど )を別で作り販売する

ワインを蒸留したものがブランデーであるように、ビールを蒸留&熟成したものがウイスキーに近いので、例えば長浜蒸留所なんかはその方向性でビールも販売している。

ニセコ蒸留所ではウイスキー以外に何を作っているかというと、最近本州でも見かける機会が増えたohoro Gin。ということで、お土産にohoro Gin Standard, Lavender Editionを購入した。

ジンのボタニカルは地産のヤチヤナギ、ニホンハッカを使用しているらしくシトラスっぽい香りで美味しかった。ただジン自体あまりストレートで飲まないので他との比較が難しい。季の美と似ていて、万人受けするタイプだとは思う。おすすめはトニック割ではなく炭酸割らしい。


驚くべきは、2021/4月にジンが発売開始されたばかりで、人間なら幼児に分類できる年齢なのに、既に世界クラスのコンペティションで多数受賞している点。言わずもがな天才キッズである。

以下現時点の受賞品評会

各品評会の世間的評価がわからなかったので軽く調べた。まず、数ある酒類品評会の中でも「世界三大酒類コンペティション」に分類されるのが以下の品評会らしい。

  • IWSC (International Wine & Sprit Competition)
    • 1969年にイギリスのワイン研究者のアントンマッセルが創設 & 最も歴史がある
    • 審査は部門ごとに、金,銀,銅の3賞に加えて金賞の中から最も優秀な銘柄に最高賞のトロフィーが授与される
  • ISC (International Sprits Challenge)
    • ブラインドテイスティングによる採点を行う
    • 点数に応じてトロフィー,最高金,金,銀,銅の賞が与えられる
  • SFWSC (San Francisco World Spirits Competition)
    • アンソニー・ディアス・ブルー氏が2000年に創設
    • 最高金賞,金賞,銀賞,銅賞画あり、さらに最高金賞受賞銘柄の中からベストオブ{hoge}が選ばれる

各賞の割合が気になるところだけど、綺麗なデータが見つからなかった。

にしても、すでにISC, SFWSCの最高賞を獲得している…? すごそう。ウイスキーが楽しみ。


北海道小話

釧路のバーで厚岸ウイスキー1に初めて出会った。思ったより値段が高めでびっくりしたけど、旅行なので気にせず飲んだ。特に「立春」はピートが効いてて好みの味。30分くらい経って、数人組の男性が隣の席に来て、自然と会話が始まった。思ったより弾み、お会計まで出してもらった。気にせず飲んでいた分が本当に申し訳ない。自分もその分を誰かに返そう。

Footnotes#

  1. 厚岸蒸留所の側を流れるホマカイ川の水はピート層で濾過されていて、アイラ島のように水が茶褐色しているらしい。ウイスキーに最適化された環境である。