最近読んだ本 ( 2024/10 )
シャドウ / 道尾秀介
「ミステリハマったなら読んでみると良いよ。」と友達に言われたので読んだ。面白い。どんでん返しではあるけど、ちょうどいい不可解要素が常にあってどこで読むのをやめても面白い。さらにその考察がほとんどミスリードになっていて、著者の誘導がすごい(語彙)。
地雷グリコ / 青崎有吾
ジャンケンとかグリコに代表されるシンプルな遊びに独自ルールを加えて、天才たちが頭脳戦を繰り広げる短編集。ルールのひねり方が絶妙で、( 十分に賢いことを前提として )運要素がうまく昇華されている。表題作以外も面白く考え込まれていると思う。
構成上仕方ないけど、ルールの記述が恣意的に曖昧にされているケースで、読者が戦略を考察しづらいのがちょっとマイナス。ただ登場キャラなど、全体を通して好きなタイプの小説で楽しめた。
三体シリーズ / 劉慈欣
まさかの3000ページもある。感想は別記事に書いた。
本を読んでいて面白いなと思うポイントのひとつとして、直感的に情報量が多いはずの映像表現を超えてきた時。例えば、映像化不可!みたいな作品はそれが顕著。ネタバレすぎるので触れないが、本作ではそういった表現が随所に感じられた。文学世界でのみ存在しているようで、かっこいい。
とはいえNetflix版のシーズン1はすごく良かったので、Ⅱ以降どう映像化していくのかは気になる。楽しみ。
汚れた手をそこで拭かない / 芦沢央
( これは自分の話) 幼稚園の頃、感情的な大人に冤罪をかけられそうになり、厄介ごとを避けるために(無実なりに)アリバイ工作をした。が、見積もりが甘く不十分な工作を組んでしまったためにそこを咎められて、余計にダメージを負った過去を思い出し、イヤな気持ちになった。そういう作品。(???)
最後の「ミモザ」という短編、気付いているけどそこに干渉してこないという事実に”気付かされる”のは想像以上に残酷だと思う。
プロジェクト・ヘイル・メアリー(上) / アンディ・ウィアー
『火星の人』でお馴染みのアンディウィアーの最新作。三体で宇宙モノのSFにハマったので読んだ。三体に比べると、楽観的な宇宙観で読みやすい。
(下)も買ってきたので読んだら詳しく感想を書きたい。映画版も2026年に公開予定1だそうなので楽しみにしておく。
そして誰もいなくなった / アガサ・クリスティ
世界で最も売れた本として有名な本書。だいぶ昔読んだ気がするが、トリックの部分の記憶が曖昧だったので再読。
十分に面白いしクローズドミステリーのパイオニア的な作品で偉大なのは前提として、衝撃度では綾辻行人さんの十角館の殺人には劣ると思う。
思考の整理学 / 外山滋比古
東大・京大で1番読まれた本っていう、あんまり手に取りたくないフレーズとして有名で渋っていたが、同フレーズの「暇と退屈の倫理学」が面白かったので買ってみた。
著者の衒学的な自伝話ではなく、ちゃんと噛み砕かれていて思考の本質を突いている。さらに目次が細かく簡潔なので、何か思考や選択に迫られた時に脳にアンカーを張っておきやすくて、バイブルになりそうな本。結構おすすめ。
読んでる途中の作品 / 理由
- ソシュールを読む
- ソシュールの言語学がうっすら好きだったので真面目に読んでみる。
- フェルマーの最終定理
- 再読。高校生の時に買った単行本が箱から出てきた。今読んでみると面白そうということで。
- プロジェクトヘイルメアリー(下)
- 続きを買った。
- スメラミシング
- 小川哲さんの新作は買うようにしている。
- 耳に棲むもの
- 装丁が綺麗だった。
気になる作品
- エレファントヘッド
- 意見が割れているが、私の好みと近い方々はみんな面白いって言ってる。
- 利己的な遺伝子
- 暇なうちに、分厚い名著を読んでおきたい。